俺に撃たせろ - 火浦 功


火浦 功。
果たしてどれだけの人がこの筆者を知っているのだろうか。

すちゃらかお気楽な短編小説が多いんだけれども、これは全編ハードボイルド。最初っから最後までオチは無し。珍しい。

まぁ、元々この人ハードボイルド好きだし、これまでの作品もそういう傾向あるんだけど、どうしてもオチを付けないと気がすまない性分なのか、3枚目なハードボイルドな主人公が多かったw
(ま、計算されて作り出されてる感じがとても面白いんですけどねw) 

他の短編集だと、コントのようなノリでライトにサクサクっと話が進んで本当センスがいいな~と思わせるのだけれども、時々出てくるパーソナル・コンピューターとか超LSIっていう単語に当時の時代を感じるw

で、今回のこれ。
1章完結の短編集なんだけれども、基本的には全て同じ街の中の話で、前の章の主人公が次の章で必ずチョイ役で出てくるというスタイルを取っているから続き物かのように読み進むわけです。
で、最後の章がとてもいい感じで終わる。なんか気持ちいい。


80年代な作品なだけにさすがのAmazonさんにもなんもないですなw
個人的には『お前が悪い』とか『 たたかう天気予報』なんかの短編集が好き~