京都・大阪秋の旅(四日目)

すでに帰京して数日が経とうとしているけれども。家に着くやいなや39度越えの熱を出して寝込んでいたので。
と言うことで、4日目の記憶。


京都・大阪秋の旅と銘打ちながら、四日目はふと思い立ち奈良・飛鳥の地へと向かうことに。

飛鳥と言えば、聖徳太子や蘇我馬子・入鹿が活躍した飛鳥時代に都が合り、仏教伝来の礎となった場所。そして、万葉の時代の詩が数多く残るステキな場所ですな。

今回はこんなステキな飛鳥の里を車ではなくぶらりと自転車で巡ってみようという計画。天気も良いし良い感じないか


飛鳥駅娘さんが書いた地図 自転車の旅とはいえ、ホテルから飛鳥の里までは車で行くことに。
江坂からだと約1時間。京都方面とは違って特に渋滞もなく飛鳥駅前に到着。幸先良いじゃない。

写真取り忘れたのを後悔しているのだが、自転車は駅前近くの明日香レンタサイクルで借りることに。「飛鳥路を自転車で」というのは完全に定着しているらしく、周りを見渡すとレンタサイクル屋が多い。まぁどこで借りても自転車自体は似たり寄ったりなのでフィーリングか?
今回明日香レンタサイクルを利用しようと思ったのは、各名所に出張所がありいざっていう時に安心というのとお隣梶原神宮駅前にも出張所があるので、ぐるーーーーーーーーーーーっと廻って梶原神宮で乗り捨てという事も出来るので。(まぁ車自体は飛鳥駅に置いてくるので結局梶原神宮から移動しないと行けないんだけどw)

ちなみに、飛鳥駅近くの明日香レンタサイクルは駅前とそこから100m程離れたところの二カ所ある。ちょい離れた方が本拠地っぽい。おばぁちゃんがお店と併設でやってるんだけど、このおばぁちゃんが中々感じの良い人なので気持ちいい。店の中には、おばぁちゃんの娘さんが20年くらい前に小学校で書いたという飛鳥の地図が貼ってある。この地図、20年前だから道が若干変化している部分はあるんだけど、それでも十分良くできている。見やすく、読みやすくかなりの力作、秀作なので立ち寄る機会があったら是非とも見ていただきたい。
明日香レンタルサイクルの宣伝のようになってしまったw


さて、無事に自転車を入手したところで今回のルートを。今回はこれをベースに色々と立ち寄っていこうかなと。(前日に買ったガイドブックのお薦めコースなのは気にしない)

飛鳥駅前 〜 高松塚古墳 〜 亀石 〜 橘寺 〜 石舞台 〜 飛鳥鳥板蓋宮跡 〜 飛鳥寺 〜 飛鳥駅前

と言うことで、早速一番近い高松塚古墳へ漕ぎ出すことに。

高松塚古墳
高松塚古墳地図を片手に漕ぐ、漕ぐ、登る、のぼr……無理。この坂、このチャリではむり。。。と早速根を上げそうですが、どうやら高松塚古墳近くの文天皇陵を登っていたらしい……しょうがない、だってこの辺り一帯はどこかしらに遺跡があるんですもの。

気を取り直して高松塚古墳へ。古墳自体は調査保護の為入れないが、壁画のレプリカや盗掘痕(本物)の壁などは壁画館の方に展示されている。250円払って中に入ると、壁画のレプリカがお出迎え。青龍・白虎・玄武・朱雀といった四神と共に当時の衣装を身にまとった宮廷人が描かれている。そして星宿図。これはすごい。こんなものが1500年近く前に描かれたとは……。

四神といえばキトラ遺跡も有名だけど、それは高松塚古墳からもそう遠くない場所にある(今回は行かない)
展示されている者は壁画のレプリカがあるくらいなので、ものの5分程度もあれば見終わってしまうけれども、客が少なかったのでじっくりと拝見させてもらった。一発目からなかなか良い物見た。


亀石
亀石高松塚古墳がある飛鳥歴史公園を抜けて脇本酒造の角を曲がり小さな橋を越えた所にぽつりと亀石はあった。これ、気が付かないぞw

これが亀石かぁ……カメねぇ……等と思っていたところ、近所の小学生らしき子供達が亀石のスケッチをしていた。日曜だから学校って事はないと思うのだけれども。生憎スケッチの中身を見るチャンスは無かったけれども、これが日常の風景なんだろうな〜と思うとなんか羨ましいと思った。日常の中に歴史が既に入り込んでいる(それも特殊な存在としてではなく)というのは歴史好きだったので憧れます。

で、亀石。なるほど、正面から見るとアレでアレだけど斜めから銀杏の木の方を見ると亀っぽく見えなくもない。つか、未だに謎らしいのだが何のための石でいつ、どこから来たんだろうねぇ。
近くにあった観光ガイドの文章では、昔は東を向いていたそうな。そして西を向く日が来ると辺り一帯が洪水になるそうな。なかなかこういう言い伝えというのは面白くて、一見馬鹿げた内容に思えるけど、太古の昔の出来事が語り継がれて今に伝わっているので実際に昔なんかあったんだろう。興味深い。


橘寺
橘寺の馬二面石亀石に別れを告げまっすぐ行くと聖徳太子生誕の地とされている橘寺にたどり着く。その関係の通りなのか、本尊には聖徳太子が奉られている。
聖徳太子の幼名に因んでなのかは判らないけど、かなり立派な青銅の馬が本堂前にいらっしゃいます。なかなか立派なお姿です。

この日の夜のTV番組で知ったんだけど、創建当時の橘寺はかなりデカイ伽藍を備えた壮大なお寺だったらしい。その頃の姿をCGで再現してたけど確かに凄く荘厳な朱塗りの五重塔が印象的だった。この頃の姿を実物で見てみたいと思わせる。

さて、橘寺と言えば善悪二つの顔を持つまるでアシュラマンのような(一面足りないか)石が片隅に置いてある。人の心には善悪二つの面が存在する事を表すというこの石。ちと顔と言うには厳しい向きもあるが、なかなか興味深いもんですね。仏教的にはやはりこの状態が現世の人で、ここから解脱の為の修行をしていくという事になるんかなぁ。


石舞台古墳
石舞台橘寺を過ぎ、飛鳥川と合流した所で飛鳥川沿いに坂を登っていくと石舞台古墳を中心とした公園が見えてくる。
ここはさすがに有名所とあって駐車場も多く人もまた多い。休憩に丁度いいのか、ご飯を食べるところやお土産を買うお店も揃ってる。まぁお弁当を買ってここの公園で食べたら気持ちいいだろうね。地元の子だったら必ず遠足でここまで来てお弁当を食べるんだろう。つか、ふと見渡すと若い娘結構いた。女子高生か女子大生か知らんけど4〜5人のグループがちらり、ほらり。奈良の方が若い娘には人気なのか?京都より? まぁいいけど。

いやーしかし凄い。なんだろうこの巨石の塊。
入場口近くには観光案内板があって、そこには製作工程(想像)があるんだけど、ピラミッドみたいなもんだね。規模が違うけどねぇ。
石室に入ると中はちょいとヒンヤリとしている。が、隙間が結構あるので真っ暗な感じではない。ここに馬子が安置され居たのか?等と太古の記憶とシンクロを計ってみる。。。小学生の頃に見た聖徳太子の漫画に出てくるひげおやぢの馬子が出てきた……。忘れよう……。


伝飛鳥板蓋宮跡
飛鳥宮再現石舞台から一気に板蓋宮へ。途中万葉記念館もあったのだけれども今回はパスで。
ここはどうやら大化の改新のきっかけとなる乙巳の変の舞台となった場所らしい。

大化の改新:645年

はい、歴史の授業で習いましたね。「蘇我一族をムシゴロシ」と。蘇我氏の専横に対するクーデターと今に伝えられる大化の改新。史実は勝者の手により書き換えられ、事実は闇に葬られる。(蘇我氏の事を含め、中大兄皇子や中臣鎌子の事も含め諸説あるのは事実)

そんな歴史的大舞台の場所も今では発掘、整備された遺構が残るだけ。であるが、この日は丁度CGで再現させた飛鳥宮を見ることが出来るというイベントをやっていた。かなり見てみたかったのだけれども、人が多すぎで諦めた。。。またやってくれるといいな。


飛鳥寺
首塚と飛鳥寺板蓋宮跡からまっすぐ北(多分)に向かうと蘇我入鹿の首塚と飛鳥寺がある。
クーデターで切られた首がここまで飛んできたという伝説があるらしいが、その話将門公の首塚でも同じような話しがあるねぇ。つか、クーデターで成敗されたのに首塚に奉られていると言うことは、悪霊になることを恐れられたのか?それとも…。

さて、飛鳥寺。
建立したのは実は蘇我馬子。仏教伝来の立役者。お堂には日本最古の仏像であり大仏である飛鳥大仏が鎮座する。建立当時は日本仏教の総本山みたいなものだったのかもしれない。真実は判らないけれども、日本に仏教が伝来したのは蘇我馬子や聖徳太子の功、しかしたんなる仏教国家にならずに古来の神道も残ったのは聖徳太子の功。かくして神仏一体となる国家の誕生とあいなる。歴史はやっぱり面白い。


さて、一生懸命自転車を漕いで飛鳥の里を廻ったけれども、まだ周り足りない。行きたい場所はいくらでもある。しかーし。そろそろレンタサイクルの営業時間が終わってしまうので飛鳥駅まで戻ることに。今度は飛鳥に宿を取ってゆっくり2〜3日掛けて廻りたいものだ。歴史好きならきっとそう思える飛鳥の里の旅でしたとさ。


大阪に戻りがてら江坂から実は近い大阪空港へ立ち寄ることに。(伊丹空港と大阪空港って同じ場所で伊丹空港ってのは通称らしい)
空港のすぐ横に伊丹スカイパークという公園が最近出来たらしく、テイクオフやランディングする飛行機が間近で見れるらしい。

昼の空港は飛行機もばっちり見えてそれはそれでいいけれど、夜間灯が点灯した滑走路の綺麗さは格別だったー。そして、暗い中夜間飛行の飛行機が目の前を轟音と共に空に駆け上がっていく姿は美しすぎる……。
ここはデートにも家族連れにも最適な場所です。自信を持って言えますw